鹿屋市 不具合ATミッション内部検証① ロータスクラブ 増満自動車

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不具合ATミッション内部検証①

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不具合を起こしたATミッションを分解してみよう

これはミッション不具合により走行不能になったスズキMRワゴンのATトランスミッションです。症状は「Dレンジに入れてアクセルを踏んでも、まったく前に進まない(バックも同様)」といったもの。今回はなぜ走行不能な状態に到ったのかを分解して検証していきたいと思います。

オイルパンを取り外しました。現在見えているのはバルブボディという油圧で変速や湿式クラッチの制御をする装置です。

こちらが、外したオイルパン内部。ATFは真っ黒で、なおかつスラッジや摩耗屑のようなものが混ざりこんでいるような状態。

こんな感じです。鉄粉吸着用のマグネットにはこれでもか!というぐらいスラッジ(鉄粉)だらけ。

こちらは先ほどのバルブボディを分解した状態。迷路のようにオイルの通路が張り巡らされています。目立ったつまりなどは確認できません。よく「バルブにスラッジがかみこんで作動不良をおこす」といった表現をすることがあるようですが、このミッションについては、そのような状況にないようです。バルブボディ内部に小さなフィルターが数個あるのですが、どれもまったく詰まっていませんでした。

ただ・・・ご覧のように、バルブボディ内部のフィルターに捕まらないような「非常に細かなスラッジ」がATFとともに循環しているのはあきらかです。

そしてこちら・・・ストレーナーです。内部のフィルターがスラッジなどでほぼ詰まってしまっています。ストレーナーは、オイルパン内のATFを吸い上げてバルブボディ内部に供給する役割があり、ここが詰まるということは、変速やクラッチ制御をつかさどるバルブボディにオイルが供給されない、もしくは供給量が減少することで油圧が低下、結果的にバルブボディ内部での油圧制御が正常に行われず不具合にいたる。このミッションの不具合原因はこれで間違いないでしょう。

Q なぜフィルターを詰まらせてしまうようなスラッジが発生してしまったのでしょうか? 

■■ATFの劣化■■
ATFはエンジンオイルのように、「燃料による希釈」や「燃焼時に生成されるカーボンの吸着」などの環境にないため、通常の使用環境では劣化しにくい(劣化しない)のです。ただし、長時間高温にさらされるようなことが繰り返されると、ATFに求められる性能である「摩擦調整機能」「酸化安定性能」「潤滑性能と摩耗防止性」「動力伝達機能」「油圧機能(粘度維持性能)」が低下していくというデータがあるようです。「酸化防止性能の低下」はATFの酸化(劣化)=スラッジ生成の抑制性能の低下ということになり、「摩擦調整機能」が低下すると湿式クラッチの異常摩耗の原因になったりもします。

■■ATFにはオイルクーラーがある■■
現代の自動車にはATFを冷却するためのオイルクーラーが必ず備わっています。それだけ高温になりやすい環境にあり、高温になることを嫌うということです。

■■フィルターを詰まらせた原因■■
これらを踏まえてフィルターつまりの原因を考えてみると。「なんらかの原因で高温になったATFが劣化(酸化)してしまい。スラッジを生成しやすくなったり、湿式クラッチが異常摩耗することで摩耗屑が発生、それらが深刻的に進行することでフィルターを詰まらせる」ということが仮定できます。


Q ATFが高温になる要因は?

■■運転環境の要因■■
急発進急加速の繰り返し、頻繁なストップ&ゴー、長い上り坂、長い渋滞状態などでもATFの油温は上昇します。ということは、優しい運転を心がける事でATFの劣化を遅らせることは可能だが、劣化自体を避けることはできなさそうです。

■■不具合関連の要因■■
オイルクーラーの詰まり、クーラントの冷却性能の低下、オイル漏れによるオイル総量の減少

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