鹿屋市 【検証】壊れたATミッション中はどうなっているの? 増満自動車

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【検証】壊れたATミッション中はどうなっているの?

 バック出来なくなったADバン

今回の検証車両は日産ADバンです。平成19年式 走行距離は18万kmを超えている建築関係の会社様の現場車両として日々働いている車両です。「突然Rレンジに入れてもバックしなくなった」という症状でご入庫致しました。さっそく試運転をしてみると、たしかにRレンジに入れても動きません。アクセルを踏んでエンジンの回転を上げると少しずつ進む感じですね。Rレンジ以外でもまれに動きが怪しく感じることがあります。修理は中古のATミッションに積み替えることで確定をしているのですが、不具合を起こしたATミッションの中では何が起こっているのか検証をしてみたいと思います。

 ATFのコンタミチェック

まず手始めにATFがどんな状態になっているのかを「コンタミチェッカー」を使用して確認してみたいと思います。ATミッションのレベルゲージ穴からコンタミチェッカーでATFを抜き取ります。抜き取られたATFは摩耗診断フィルターを通過していき、ATF内を浮遊する不純物をこしとって内部摩耗度合いを判別します。結果は右の写真のようになりました。右のフィルターが明らかに黒いのが分かると思います。これはATF内を大量の不純物(主にクラッチのフェーシング)が浮遊していることを示しています。これでミッション内部のクラッチが異常摩耗しているのが明らかとなりました。

 オイルパン内部を確認

それではオイルパンの内部はどうなっているのでしょうか?実際に取り外して確認してみたいと思います。

 磁石がすごいことに

左の写真はオイルパンに設置された磁石です。鉄粉などの摩耗紛が大量に吸着して花びらのようになっていました。一目で異常と認識できる状態です。

 ミッション内部が異物だらけ

そのほか部品の破片のようなものが大量に散らばりミッション内部を循環してしまっていたようです。ストレーナーも目詰まりしていました。詳しくは下の動画を見てもらうとよくわかると思います。この状態から推測すると、まずRレンジのクラッチの異常摩耗が始まりそれが深刻的に悪化していきました。その後、何とか均衡を守っていたクラッチのフェーシングが一気に剥がれて動力伝達が出来なくなりバック不能に。摩耗紛やリバースクラッチの部品片の欠片がストレーナー等を目詰まりさせリバース以外のギアにも油圧不足による動力伝達異常が発生し始めていたのではないかと思われます。こうなってしまうと修理するよりも正常な中古ミッションに積み替えてしまった方が安価に低リスクが修理できます。ちなみに今回は45,000km走行の安価なミッションが見つかりましたのでそちらへ積み替えを行いました。

 ATFクーラーの洗浄

今回のようなミッショントラブルの場合、トラブルを起因とする摩耗紛や部品の破片がATFと共にATミッション内を循環してしまうわけですが、中古ミッションに載せ替えたことによりすべてが解消されるわけではありません。この車両はラジエター下部にATFクーラーが付いているのですが、このATFクーラーをミッション内で発生した異物(摩耗紛や部品の破片)が詰まらせてしまうことがあります。詰まりはしなくともクーラー内部に異物が蓄積されているのは間違いないでしょう。このまま何も処置せずにATFを循環させてしまうと、クーラー内部の異物が積み替えたミッションに再び流れ込んでしまうことになりトラブルの原因になります。また、詰まりによる冷却不足やATF循環不良などが発生することによるトラブルの原因ともなります。そうならないようにエアゾールタイプの洗浄剤と圧縮空気を利用して内部の洗浄を可能な限りしておきます。右の写真は洗浄段階別にATFクーラーから出てきた洗浄剤の状態を比べたものです。詳しくは動画を見て頂くと理解しやすいと思いますよ。

 検証結果

今回の検証結果は下記のようになりました
【症状】 Rレンジに入れても動かない
【原因】 リバースクラッチのフェーシング部の異常摩耗・破損により動力伝達が行われなくなった
【対策】 中古ミッションへの積み替え・ATFクーラーの内部洗浄

ATFは18万キロ未交換の可能性がありますが、今回のトラブルの原因がすべてATF未交換によるものというわけではないと思います。日々仕事で使用される車両ですので「シビアコンディション」によるミッション内部のクラッチへの負担、クラッチに負担のかかる運転の仕方、ATFの劣化、ミッション自体の経年劣化などいろいろな要因が重なって起きたトラブルのはずです。ではどうすればこのようなトラブルを防ぐことができるのでしょうか?
①ATFを正常な状態に保つ(定期的な交換)
②クラッチに負担のかかる運転をしない(急な加減速)
100%予防できるわけではないですが、この上記2つを心掛けるだけでもかなり効果があると思います。

定期的なATF交換が今回のようなトラブルの予防策の一つであるのもまた事実。今後のカーラーフの参考にして頂ければ幸いです。



その他の不具合トランスミッションの検証ページ
【検証】走行不能になったATミッションを分解してみよう スズキ軽4AT
【検証】スズキ車のCVTジャダー症状への効果的な対策はあるか?

YouTubeチャンネル
増満自動車のYouTubeチャンネルで圧送交換の動画を見ることが出来ますNEW!

作業事例の紹介
ユーチューブ動画で紹介している車両もあります。
※【YouTube動画あり】の車両をクリックしてみて下さい。

トヨタ・レクサス
MR2|走行140,000km 54,200円

クラウン GRS180|走行145,000km 32,000円

ヴェルファイア|走行80,000km 51,000円

クラウンGSR184|140,000km 59,000円

ポルテ|15,000km

クラウンURS206|173,000km 69,000円

レクサス IS250|120,000km 69,000円 長崎県【YouTube動画あり

レクサス IS250|106,000km 69,000円 熊本県【YouTube動画あり】

ランドクルーザー|走行200,000km 宮崎県

ヴォクシーZRR70|150,000km 64,000円【YouTube動画あり】

ハイラックスサーフTRN215W|161,000km 58,000円【YouTube動画あり】

アリストJZS160|148,000km 【YouTube動画あり】

日産
ダットサントラック|走行160,000km 54,000円

Z33フェアレディZ|走行130,000km 43,000円

ラフェスタ|走行      68,500円

フーガ|走行89,000km 65,000円 宮崎県【YouTube動画あり】

スズキ
ジムニーシエラ|走行70,000km

セルボ|95,000km 42,500円

ランディSC25|112,000km 42,000円

ワゴンR MH23S|24,600km 46,000円 福岡県

ワゴンR MH23S|走行170,000km 41,500円

ワゴンR MH23S|走行160,000km 41,000円【YouTube動画あり】

MRワゴン|走行135,000km

ダイハツ
ムーヴ|走行98,000km

ムーヴコンテ L575S|走行118,000km 55,500円【YouTube動画あり】

スバル
サンバーディアス|走行130,000km 43,000円 宮崎県

ホンダ
バモス|179,000km 34,000円

ミツビシ
ミニキャブ|110,660km 37,800円 宮崎県【YouTube動画あり】

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